シャム(現在のタイ王国)の国王夫妻には長い間、子供が生まれなかったがようやく2人の王女が生まれ、それぞれ「昼」と「夜」と名付けられた。しかし、さらに2人の王女が生まれたので上の2人は「春」「夏」に名前を改め、新しく生まれた王女には「秋」「冬」と名付けた。しかし、さらに5人の王女が生まれたので上から「一月」「二月」「三月」「四月」に名前を改め、新しく生まれた王女は「五月」「六月」「七月」「八月」「九月」と名付けた。その後も王女が生まれたらどうしようと国王夫妻は思い詰めるが、次に生まれたのは王子ばかり10人でそれぞれ「A」~「J」と名付けられた。
末の王女・九月姫は優しく素直な性格に育ったが、姉たちはたびたび名前を変えられたことが原因ですっかり性格がひねくれてしまった。そんなある日、九月姫のもとに美しい声で歌う一羽の鳥が舞い込んで来る。
小さいときに親から与えられ大事にしていた絵本だった。 そのときは内容が理解出来なかったけれど。。。 サマセットモーム唯一の童話だと言われているこの本は人間の心の奥を鋭く描いている。ひねくれるというのは 哀しいことだ。 何回も名前を変えられると自分を信じられなくなる。人間はそんなに強くないので、あるがままの姿の人を見ると妬み嫉み、つまり嫉妬するのだ。自分に素直に生きていれば相手を縛ることもないし相手を疑うことも無い。