生まれるもの 殺されるもの

アウシュビッツでドイツ軍に命じられて多くの音楽家が死の音楽を演奏していたという。捕虜になり仲間がガス室に入れられていく間、奏でていたのだろうか。
アウシュビッツから解放された後その音楽家たちは何十年も音楽に触れることができなくなったり人と交流できなくなったりして心に取り返しの付かない傷跡を受けている。

戦後40年たってやっと自分が捕虜になっていたアウシュビッツを訪れ不思議な心の平安を感じたという老女がテレビで語っていた。 ここで亡くなっていった彼らの魂に癒され慰められる。ここに来ると自分の居場所を感じるのだと。。。
人はどんなに窮地になっても最後まで善良で清い生き方ができるのだと、そしてどんな死でも意味の無い死は無いのだと思うようになったのだと語っていた。
それはある助産婦の生き方であった。 アウシュビッツでは生まれてもすぐに殺される。しかしその助産婦はたとえ一回でもその乳児を風呂に入れようと何度もドイツ兵に逆らったのだと。何度も何度も。。。。

殺されてしまう我が子を必死で産む母親 命がけで新しい命を生むその尊い仕事
そして子を取り上げ抱きしめ一度でも産湯に入れようとする助産婦。。。。

そして それを奪い命を絶つ兵士たち。


一昨日このテレビを見てから頭にその映像が浮かんでくる。
赤子の産声 赤子の鳴き声 そして。。。。。
by jiro_saty | 2010-12-07 00:53 | みっちゃんのツイート