届かぬ叫び 読売新聞より

届かぬ叫び  1
 両手縛られ消えた命
 親の虐待があとを絶たない。命を失う子どもや、深刻な後遺症を一生背負う子どももいる。悲痛な訴えは、なぜ届かないのだろうか。
                  ◇
 母(34)から寝る場所として命じられたのは硬くて冷たい浴槽だった。縦横の幅は約80㌢。1月の夜、外の気温は気温は0度に近く、体も伸ばせない。「私、さみしいの」。福岡県久留米市の江頭萌音(えがしらもね)ちゃん(死亡当時5歳)は、母のいる寝室に向かって小さい声でこう訴えた。
 この頃、保育職員は「玄関やトイレで寝かされた」という萌音ちゃんの言葉に驚き、市に通報。これを受けた児童相談所は「緊急性なし」と判断し、母との面談で対応をとどめていた。萌音ちゃんは今年6月、母に両手を金属製棚に縛りつけられた上、リュックサックに2個に(計約7㌔)をそれぞれ背と腹に抱えさせられ、苦しさから自ら棚に背や腹を打ちつけ、心臓を損傷して亡くなった。県警の捜査で判明した虐待は、これだけではない。口に粘着テープ、手足を縛られ、洗濯機内に数時間放置された。 ふたを閉じて回されたこともあった。
警察庁のまとめでは 今年上半期に摘発された事件だけで、18人の子供が親たちの虐待で死亡した。先日30日には大阪のマンション一室に放置された3歳と1歳の姉弟が寄り添うように亡くなっているのが見つかった。
虐待を防ごうという市民の意識は高まっている。地域などからの通報を受けて、全国の児童相談所が動いたのは去年度4万4210件で、2000年度の約2,5倍になった。

今年1月に両親の暴行で亡くなった江戸川区の岡本海渡君7歳の祖母はその20日前、遊びに来た海渡君と一緒に風呂に入り、背中や肩に点々と残るかさぶたに気づいた。継父が手を上げたのかと疑い、海渡君に尋ねたが黙りこんだまま。「おばあちゃん 泣かないで」と逆に慰められたという。
実は祖母よりも約4ヶ月早く、海渡君を診察した歯科医が体の傷に気付いていた。区への通報は小学校、児相にも伝えられた。学校側が継父を訪ねたが 「2度と殴らない」という言葉を信じ込んだという

他にも 虐待を行政が把握していながら「母親に改善の意思がある」と判断し児相で一時保護した寺本夏美ちゃん5歳(母に出ていけと言われ7キロあるいて祖母の家に来ている) は母親に戻され4ヵ月後脳機能障害で命を落とした。

「65%」

03年7月から昨年3月にかけて児童虐待で死亡した312例のうち203例は行政がかかわっていたことが厚生労働省の調査で判明している。

  「謝れ 謝れ」
埼玉県蕨市の木造アパートでは07年夏、新藤力人ちゃん 4歳が両親に怒鳴られる声が響き、通報を受けた市や自相が強制保護を検討しているうちに飢餓状態に陥った。翌年2月力人ちゃんが亡くなった。壁越しに聞こえた力人ちゃんの声は隣人女性の耳に今でも残っている。 
 「僕にお水をください」

 「お前にやる水は無い」 水を求めた力人ちゃんに母親は怒鳴り返した。 読売新聞にこう証言した女性は2007年夏市役所や警察に対し複数回にわたって 「虐待の疑いがある」と通報したという。 力人ちゃんはその半年後に亡くなった。

市や児童相談所。県警蕨署は06年5月から約1年8ヶ月、力人ちゃんと4歳上の兄の保護について計13回協議した。児童福祉法に基づき、2年間に綿って児童福祉施設に入所させることのできる「強制保護」を検討しさいたま家裁とも相談したが、目立った外傷が確認されず、虐待の明確な証拠がないとして踏み切れずにいた。亡くなった時、力人ちゃんの体重は約10キロ。同じ年の男児の平均よりも6キロも少なかった。力人ちゃんの死についてさいたま地検は「虐待の因果関係があるとまではいえない」としたが起訴状によると、十分な食事を与えなかったため前年末から歩くのも困難な状態になっていたという。

深刻な虐待が行われている可能性が高いにもかかわらず親が児相職員らに対し子供を会わせない場合などは「強制保護」に踏み切ることが可能で 09年までの10年間では1443件実施されている。 しかし虐待の実態や親の監護能力などについて厳密な要件がある。
このため法務省と厚生労働省は現在、早期に子供を守りたいとして、児童福祉法の改正などを検討している。


児童虐待や親権問題に詳しい磯谷弁護士は「強制的な入所は親の親権を制限することにつながるため行政は過度に慎重になる傾向がある。緊急性があると判断できるのであれば却下を恐れず積極的に実行する必要がある」と指摘している。


みっちゃんは思います。
虐待する親は 尋常ではない精神状態にあり簡単には改善できない。自分自身が愛せない環境で育ってしまった人間がすぐに子供の親にはなれない。 自分のされたことを子供にすることで自分の奥にある恨みを晴らそうと そうやって痛みを癒そうと必死になる。
いまさら生んだ親を恨んだり憎んでも仕方ないことだけど でも どうやってそれを乗り越えていいか 誰も教えてはくれない。 自分で頑張って なんとかクリアできる人もいるけれど 出来ない人間が多いのだと思う。

もう大丈夫 小さな子供を愛せるようになったから 子供を戻そう。。。。
本当にそういいきれますか??
しがみついた幼い手を離すにはあまりにココロモトナイとは思いませんか???


その親に責任を持たせ親権を尊重していけるのなら解決は早いでしょう。
でも
普通はしないような行為をしてるにはもう その時点でサインを出しているのです。


子育てできないサイン
自分をもてあましてるサイン
愛情が理解できないサイン
そして自身も虐待を経験した というサイン。。。。
押し込んでやっとやっと生きていた というあまりに幼稚で幼いサインなのです。


そんなサインを見逃さない 警察であり児童相談所であり そして近所であり

もっといえば専門家を増やしてケアをする必要があるのです。


誰だって最初から簡単に自分のことを認められるわけじゃない。
お母さんに抱きしめてもらって
愛情一杯で育つことのほうが稀だったりするんだから。

正論をかまして机上の空論
虐待する親を責めるだけでは駄目なのです。 冷静に見て ネグレクトが虐待であると理解できないような関係者がいない、想像力の欠如した専門家がいない そんなスペシャリストを持ってこの現場にあたってほしいと深く祈ります。


亡くなられた幼い命に 合掌。。。。
by jiro_saty | 2010-08-10 10:58 | 昔の記事 事件などなど