みっちゃんは2歳の息子をまだ保育園に入れないでいました。仕事もまだ出来なかったので実家の母親の強烈な反対を押し切って彼を背中におぶって 当時27歳のみっちゃんはご近所のお散歩をしてもらっていない犬の世話を始めました。 勿論散歩をしていないことを非難するのではなく(そんなことを言ったらシャットアウトです) 犬が死んで淋しいから とか死んだ犬にそっくりだから とかいう嘘で飼い主さんの懐に入って行きました。
市内で愛護活動をするにしても何をしたらいいのか 他の愛護団体をいくつかあたりましたが中々自分が子育てをしながら出来る活動ではなかったので取り合えず自分の犬に出来なかったこと 最後までお散歩をして愛してあげること それを始める事にしました。 最後まで見れなくなった犬たちが保健所に持ち込まれるケースが多いと聞いて蛇口を閉めていけたら と思ったのです。少しでも動物の代弁をしていけたら と。
本当は夫のために仕事をさがし息子を保育園に入れるべきだったのですが引っ越してすぐは自分の気持ちがそうなれなかった。
毎日毎日ご近所の犬 合計6匹の散歩を息子をおぶって続けていました。 ひと月 ふた月 続けてるうちにみっちゃんの体重がはどんどん減って痩せてしまいました。 それほど息子をおぶっての散歩はきついものだったのかもしれません。でも楽しかった。 あの八雲での孤独な時間を癒すのにそれは素晴らしい時間だったのです。そのうちに犬の数は14匹になり そして外猫の避妊にも手を出し始めました。
歩けなかった息子は少しづつ歩きながら私についてきました。うんちを拾ったり犬の水を取り替えたり手伝うことも出来るようになりました。 その頃たった一軒のお宅でしたが息子をおぶって雨の中でも散歩を毎日続けるみっちゃんに感じるところがあったといってそれ以後2匹の自分の犬は最後までその家の方が世話をされました。なんだか少し気恥ずかしい気持ち そんなに大げさに見えたのかなあ と思ったりしました。