鶏が先か 卵が先か

熊本県の慈恵病院の赤ちゃんポスト設置についての話題が気になる。

<赤ちゃんポスト>熊本市が認可方針 厚労省と協議、判断へ
(毎日新聞 - 02月21日 22:01)
 熊本市の慈恵病院(蓮田太二理事長)が、育児が困難な親から新生児を預かる「赤ちゃんポスト」の設置を市に申請していた問題で、幸山政史市長は設置を許可する方針を固めた。22日に改めて厚生労働省と法律上の問題点などを協議したうえで最終判断する。設置を認めれば全国初のケースとなる。

 熊本市は昨年12月、慈恵病院からの申請を受け、関係課で協議。刑法の保護責任者遺棄罪や児童福祉法などの規定に触れないか国とも意見交換した。幸山市長は「確かに命が救われる可能性がある」と人道面を重視。一方で「設置に伴って捨て子が増えないよう法整備をする必要がないか確認したい」とも話し、国と最終調整する考えを示した。

 赤ちゃんポストは病院の壁に設置された扉を開け、室内に置かれたベッドに匿名で新生児を預ける仕組み。職員が24時間態勢で待機し、すぐに赤ちゃんを保護する。

 「育児放棄を助長する」との懸念の声もあるが、ドイツなどでは広く導入されている。病院側は「赤ちゃんの命を救い、母親が犯罪者となることも防げる。預かるのが目的でなく、ポストに手紙を置き相談や養子縁組につなげるのが狙い」と話している。【山田宏太郎、谷本仁美】

こんな闘論もあり。

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 ◇子も母親も救える 遺棄を防ぐ制度必要--慈恵病院理事長・蓮田太二氏

 2年前、望まない妊娠をした30代の女性が「赤ちゃんを殺してほしい」と相談に来た。精神的に非常に追いつめられていた。早産の恐れがあり入院させたが、夜中にいなくなった。「車に飛び込もうと思った」と言う。保護していなかったら、出産しても赤ちゃんを捨てていただろう。

 02年に妊娠による葛藤(かっとう)について電話相談をした。その後も相談があり、昨年末までに163件にのぼっている。遺棄事件につながりかねない人が結構いる。

 04年に赤ちゃんポストの先進地・ドイツを視察した。ドイツには、赤ちゃんは家族のものというより「神様から頂いたもの」という考えがある。ごみ箱などに捨てられて死亡する赤ちゃんも多かったが、年間40人ほどがポストで助かっているという。関係者の話に共通していたのは「赤ちゃんを預ける女性はパニック状態で、ポストはそれを救っている」ということだった。

 熊本でも、20代の女性がくみ取り式トイレに産み落として死なせ、実刑判決を受けた事件があった。もうのんびりしておれないと思い、昨年末に熊本市にポスト設置を申請した。

 預かるのは生まれた直後の赤ちゃんだ。ポストには「ここに捨てて下さい」ではなく「相談して下さい」というメッセージを掲げたり、母親あての手紙を入れたりする。後で分かるように、ポストに母親の髪の毛を入れてもらえばいいという提案もあるが、それだけの余裕があるのかどうか。

 相談してもらえれば、ボランティア団体を通じて養子縁組にもつなげられる。設置の計画が報道されてから「赤ちゃんがほしい」という問い合わせがたくさん寄せられていて、心強い。

 「育児放棄を助長する」という批判はあるだろう。しかし、ちゃんと育児ができず、子どもを虐待死させるくらいなら預けてもらった方がいい。夏に赤ちゃんを暑い車内に放置して死なせるなどというのも虐殺。今でも育児放棄や虐待はかなりある。

 少子化の時代、子どもは次世代の宝だ。社会制度として子どもをどう救うか、もっと真剣に考えなければいけない。ポストの設置で家族のあり方も含め、議論が起きるのは大いに結構なことだ。受けて立ちたい。【構成・山田宏太郎】

 ◇自我の形成に問題 行政窓口改善が先決--帝塚山大教授・才村真理氏

 子どもの権利条約第7条には「児童は父母を知る権利を有する」とある。子どもが自身の出自を知ることはアイデンティティーの形成に大きな意味を持つ。赤ちゃんポストは、どんな親から生まれてきたのかを知ることができなくなる可能性があり、あまり賛成できない。

 夫以外の提供精子を使う非配偶者間人工授精(AID)で生まれた子どもの福祉の研究をしているが、成長し、その事実を知ると、アイデンティティーがぐらついてどう生きていったらよいのか途方に暮れる人がいる。20~30代の数人にインタビューしたが、「なぜ本当のことを教えてくれなかったのか」「この世に生まれてきてよかったのか」などと悩んでいた。養子縁組でも同様。親の名前やどんな人かなど、自分のルーツが分かってくると、これから生きる道も見えてくる。

 赤ちゃんポスト設置が検討される背景には、子どもが育てられない親に対し、行政の敷居が高いことがあるのではないか。的確に対応できる専門的な職員も足りない。行政に相談しても、責められたり、調査されたあげく、結果的に親が育てる方向に落ち着くケースが多い。ならば、相談しやすい窓口にすることが先決ではないのか。

 04年の児童福祉法改正で、より気軽に相談できるように、児童相談の窓口は市町村になった。担当者は親との面談で、虐待や育児放棄の恐れや、子どもを乳児院などで保護する必要性を感じたら、的確に対応する能力が必要だ。だが、市町村には格差があり、専門性のある人がいないところもある。

 子どもや親を援助する児童相談所の体制自体、あまりにも貧弱だ。職員の数、質ともに欧米とは大きな差がある。相談に当たる児童福祉司も全員が専門職採用ではなく、トレーニングも十分ではない。1人が担当する児童は平均約100人に上るが、英国では20人程度だ。

 子どもを捨てたら死ぬかもしれないと思う親は、赤ちゃんポストがなくても、人目につく所に捨てる。赤ちゃんポストは世間へのインパクトがあるかもしれないが、わざわざ設置しなくても、子どもの命を救い、出自を知る権利を確保する方法は既にある。【構成・板垣博之】


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子供を生む女性の心が病んでいるのかもしれない。

子供を捨てないためにもっと開かれた公共機関が必要なのかもしれない。

昨日も子供を数日放置して留守にして死なせてしまった母親が報道されていた。
彼女は公共機関に もう子供を育てる自信がない と相談している。
すでに長男が保護されていて その後に2男が殺された。 部屋から無数の蛆虫がわいているのを近所の人が目撃している。


どんな方法にせよ 大切なのはその相手に対応した人間の暖かさに尽きる。相談所は近所のオバサンでもいいのだ。
マニュアルがあれば 何かを救えるのか。



慈恵病院に送った応援メールに頂いた返信メール

☆「子供達から学ぶことがたくさんあります。

 尊い赤ちゃんの命を一人でも多く救える様頑張ります。」とあった。


現場はそんなに理屈では固まっていない。
生んだほうも 生まれてきたほうも どちらも大事な命だとしたら
今回のポストは両方を抱きしめようとしているように 思えるので

みっちゃんは大賛成だ。。。


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近所の喫茶店の100円シフォンケーキ^^
かなり美味です~~
by jiro_saty | 2007-02-22 13:43 | みっちゃんちの犬たち