今年の上げ馬神事、調査結果を報告

「動物愛護に反する事例あった」 県教委、きょう保持団体に助言 三重
産経新聞 7月12日(火)7時56分配信


 猪名部神社(いなべ市)と多度大社(桑名市)で今年行われた県指定無形民俗文化財「上げ馬神事」で、県教委による調査結果が11日、県教委定例会で報告された。動物愛護管理法違反にあたる行為は確認されなかったが、動物愛護の精神に反する行為があったとして、県教委は県文化財保護条例に基づき、保持団体に対し、動物愛護の精神に反する行為をなくすよう12日に助言することを決めた。

 調査は、今年1月の県教委の勧告後に初めて行われた4月の猪名部神社、5月の多度大社の神事を対象に、県教委社会教育・文化財保護室などが実施。野原宏司室長は両方の神事について「改善の取り組みで動物愛護管理法に違反する事例はなかった」としたが、馬に小石を投げたり、下腹部をけるなど「動物愛護の精神に反する事例があった」と述べ、今後も調査指導を継続する方針を示した。

 委員からは地元の改善を認める意見が出たほか、「なぜ小石を投げるのか」と質問があり、野原室長は「馬に勢いをつけるためと考えられるが、馬の専門家によれば効果はなく、見ていて好ましいものではない」と説明した。

 上げ馬神事をめぐっては、動物虐待や未成年者の飲酒の疑いが浮上し、県文化財保護審議会が昨年、両神事を視察。審議会は今年1月、県教委に対し今年も調査するよう建議し、県教委も保持団体に改善を求め勧告していた。今年2月には、平成21年5月にあった多度大社の神事で馬を虐待したとして、地元の関係者5人が動物愛護管理法違反容疑で書類送検された。
by jiro_saty | 2011-07-21 09:22