追悼 愛ちゃん

10月28日午前1時半、アイちゃんは私たちを残して逝ってしまいました

やっと暑さが収まってお散歩できるようになったのに、アイちゃんは以前の健脚
に戻れませんでした

夏に数回起こしたてんかん発作で後ろ脚がちょっと弱っていました

それでも外が大好きでしょっちゅう玄関へ行っては散歩をせがむので、沢山歩け
ば良くなると期待していました

でも10メートル行っては立ち止まりジーっと眺めている…の繰り返しで一時間
出ていても距離は以前の半分以下でした

10月1日には兄のセルフビルドログの手伝いに、アイも3日間のキャンプに行
きました

八ヶ岳の精気あふれる草木の匂いにアイはくんくんキョロキョロ。
編笠山の登山口である標高1570メートルの駐車場に降りて山道に入ってみると、
アイは嘘のようにしっかりした歩みで、自分から道を探して石ころ段差の登山道
を飛び歩きました。
もっと元気になったらきっとアイを山登りに連れて行こうと誓い、30分ほどで
そこを切り上げました。夜は私のテントで一緒にぐっすり

でも相当疲れたのでしょう、帰って2日ほどは寝てばかりでした

その後あの激しい徘徊が始まりました

夜昼かまわず、ずっと家中を走り回って寝ない、食べない。ストレスかと真夜中
でも外に連れ出したのですが、疲れ果てて寝ても一時間と睡眠が続かない

その興奮状態が5日目になって、このままでは死ぬ、と病院に行きました

食べていないので点滴を、くるくる右旋回するのでフェノバールとステロイドの
注射

前庭障害なら薬で治るとのこと。毎日通院して お医者さんも手を尽くしてくれま
したが 容態は快方に向かわず アイちゃんは力尽きました

たくさんの注射や薬 どんどん動かなくなっていく体にアイは動揺し辛かっただろ
うと思います

もう立ち上がることができなくなった27日 アイは深い眠りを選びました。

ぐったりしたアイを日差しのあるベランダに布団ごと出して寝かせると、また立
ち上がろうともがき、けいれんを起こしました

アイの目には涙が流れていました

もう死んじゃう、と夫に泣いて電話していたらアイは意識を戻して、シリンジで
の強制給餌で水とad缶を受け入れてくれました

アイは私を喜ばせようとして最後の食事を頑張って飲み込んでくれたのだと思い
ます

その後はもう自分で体を動かすこともなく、朦朧とした目に涙を浮かべながら、
辛い体と立派に闘い続けました

夕方に夫が帰ってからアイの呼吸はだんだん荒くなり、けいれんを断続的に繰り
返していきました

意識がなくなってもなお8時間近く 心臓が止まるまでアイは勇敢に生を全うしま
した

すべてを甘受して逃げず 健気に命のしきたりに従う。四の五の言わない純粋な生
き様は 真実そのものでした

可愛いかわいい顔、体、艶々しっとりした毛並みに顔を埋めて 思う存分泣きまし
た ありがとうって

アイは間違いなく私を救ってくれた天使です

お寺で火葬供養してもらって
「きれいに全身の骨が残っているのは珍しい 丈夫な骨質は若い頃に栄養が行き届
いていたから」
「きっと可愛がられて育ったのでしょう」
「もし虐待などがあったらこんなに綺麗な頭蓋骨は残りません」
と 嬉しい言葉をいただきました

全身の骨を壺に詰めて がらんとしてしまった我が家に帰ってきました

アイちゃんは勇気をくれました 命は希望と同義なのだと教えてくれました

たった7ヶ月しか居てくれなかったけど アイは永遠の絆を残してくれた

川村さんにはあまり薬物療法に頼らないように言われ 私もそう思っていました
でも夏に繰り返したてんかん様発作から私たちは病院通いを断つことはできませ
んでした

腎臓の経過も心配でした、結果的に10月に腎臓は正常値に戻っていました

もっと良い医者を と私たちは五軒の医者を渡り歩きました

最後に出会ったお医者は歩いて行けるほど近くの開業医。真夜中でもいつでも電
話して と携帯番号をくださり たくさん議論を交わして 納得した治療をしていた
だきました

火葬をしてくれた方が骨を見て
「15歳以上に思えます」と言っていました

私たちはアイが可愛いくて可愛いくて「赤ちゃん?と良く訊かれるんです、ほら
毛もこんなにふさふさフワフワで、山で過酷な経験したからダメージが深いんで
す」と、10歳以上との見立ては認めたくなかった

でも沢山の骨を見てきた火葬師の方が15歳と言うなら…寿命だったのかもしれ
ません

ほんとうに赤ちゃんのように愛らしい目で、品のある美人さんで、気丈な子でし


そして川村さんの言った通り お尻のきれいな子でした

あんなに体がぐずぐずになってもアイは一度も家で粗相をしませんでした

心臓が止まったその時 アイのお尻からおしっこがつーっと流れました

温かくて懐かしい匂いの液体。アイちゃんの命の証拠。我慢してたんだね、我慢
しなくたって良かったのに。

動くことを止めた体なのにおしっこは流れて動いて出てくる…アイちゃんの命の
余韻を授けていただいたようで…手のひらで受け、その温かさを匂いをしっかり
記憶に留めたくて顔を埋めました

川村さん HASの皆さんには大変お世話になりました
アイを応援してくださった皆様の愛を抱えて アイちゃんは自由に走り回れる天上
へ旅立ったと思います

どうぞ「アイちゃん!」と一言声をかけてやってください

ご厚情に深く感謝いたします
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皆さんにアイが立派に生き切ったこと 知っていただければ 幸いです
元の飼い主さんも事情があって飼えなくなったか
または山ではぐれた事故だったか

うちに来てからも 行き会う人全員に興味を示して寄って行った
駅前の向かいの道からは いつも帰宅する人たちの列と車の往来をずーっと眺めて
いた
散歩中に家の入り口があると どこの家でも入ろうとした
アイちゃんは元の飼い主を探していたんだと思います
もし元の飼い主さんが生きているなら アイの美しい最期をお知らせしたいです
こんなに素直に気高い子に育て上げあげくれてありがとう

私たちに素敵な宝石をバトンタッチしてくださって ありがとう て。


愛ちゃん保護当時はここで見れます^^


愛ちゃん 保護当時



そして最後にHASのりえちゃんから

愛ちゃん…本当に本当に最後まで愛されていましたね
Yさんのメール私も愛でいっぱいに満たされました
ご冥福をお祈り致します。

たくさんの動物が最後までこんな風に愛されて最後を迎えられたらいいのにと、改めて思いました。
by jiro_saty | 2010-10-30 11:50 |  メモリアル